介護医療院の創設により、住まいと生活を医療が支える仕組みが始まった。今までは状態が急変した場合、自宅療養の困難さが原因で長期入院を余儀なくされることが問題となっていたのだ。この問題を解決するために介護医療院では、急変時の対応や家族の介護負担を軽減する事を目的としている。そのため、介護医療院は在宅に近い医療施設といえるのだ。通常の介護では、在宅もしくは施設での勤務が主なため、比較的状態が安定した方が対象となる。そのため、病気の特性や障害の程度に関して理解が深まりにくいのが現状といえるだろう。
しかし、今後は病院への入院期間は更に短縮され、長期療養が必要であっても在宅での看取りが推進される傾向にあるのだ。その様な中で、介護医療院での医療的な処置が必要な患者を在宅に近い観点から支えられる介護士が求められている。また、介護医療院に入院している患者が早期に在宅に戻るためには経験豊富な介護士の関わりが必要不可欠といえる。特に、在宅での生活で困難を生じるであろう事象を想定し、介護者に助言が出来る事や住宅環境を整えられる人材は多くの現場で求められているのだ。看護師や医師のみでは、医療的な要望には迅速に対応できる場合でも、生活面に関わる悩みや課題は介護士よりも不得手といえる。入院という在宅と異なる環境で長く生活すると、在宅での生活への不安感は増し、介護者も病院や施設に任せる生活に慣れてしまいがちだ。これらの課題を明確にし、チームで対応できる介護士の活躍が期待されている。